Thank you!





「―――マスター、次の攻撃が来ます。あと30秒」

完璧に感情を制御された言葉が狭いコクピットに響く。

「分かった」

僕はこの空間が嫌いだ。
だって彼女の顔が見えないし、声は完全に無機質だし。
彼女には陽に輝く金の髪や、蒼い瞳や明るい笑顔がコクピットの人口光よりも似合う。
ああ、早く僕だけに見せてくれる感情豊かな表情が見たい。

「行くよ、うさぎ」

振り下ろされた剣をぎりぎりの所で回避して温存した残りの動力でもって敵MHの胴体を叩き斬り、それで戦いは終わった。
丸一日縛り付けられたコクピットから解放され、回収されたエア・ドーリーの中で僕の目は彼女を捜す。

「はるかさん!」

満面の笑みで駆けよって来る、愛しい少女。

「やあ、仔猫ちゃん」

片手を挙げ、挨拶を口にしてから飛び込んでくる彼女を抱きしめた。

「無事に君の顔を見る事ができて嬉しいよ」

素直な気持ちを告げれば、私もです、と小さな声で呟いてくれる。
嬉しくなって、彼女の桜色の唇に僕はキスを落とした。







ヘッドライナーがはるかさんでファティマはうさぎちゃん。
うさぎちゃんはMH搭乗時以外、ダムゲートコントロールが効いてない設定。






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