護る
「彼女を、護る」
それが使命だからではなく。
前世の後悔から来る物でもない。
ただ、愛しいから護るのだと。
「それが僕の望みだ」
そう、はるかはみちるに微笑んだ。
「―――そう、わかったわ」
みちるも頬笑みを返す。
はるかの愛しい人はみちるにとっても愛しい人で。
この世の誰よりも大切な人。
「あの子を護れるのなら、この生命など惜しくない」
叶わないかもしれない、護れないかもしれない。
けれど、彼女の行く先を少しでも明るく照らす為に。
「行きましょう、ウラヌス……私達のプリンセスを護る為に」
「ああ、彼女には指一本触れさせはしない、この僕が生きている限り」
踏み出す足。
差し伸べる腕。
全てに力が宿る。
「愛しいプリンセス、あなたを護る為に」
そう、あなたの為ならどんな強大な敵にも向かって行ける―――。
最初は拍手にしようかと思った話。
みちるとはるか、二人のうさぎへの想い。